第23話  さよなら・・・ぼくの天使

 イザベラはアンジェレッタとの出会いを拒否した。そんなイザベラにアンジェレッタの病気を話そうとするロミオ。しかしアンジェレッタは会えただけで夢は叶ったと言って、オルゴールをかけた。それは息子アドルフォからのプレゼントだった。アンジェレッタはオルゴールを置きその場を去った。

 アンジェレッタは聖バビラ教会で今日のことを報告した。さらにおばあさまをお守りくださいとお祈りした。アンジェレッタの健気さに涙するロミオ。そんなロミオに悲しまないで笑ってと涙するアンジェレッタ。ロミオは涙をふきとり、泣かないことを約束した。アンジェレッタは神様の前でおばあさまのことを思い出した。しかしその直後、アンジェレッタは発作で倒れた。それでもアンジェレッタはおばあさまのことをうわ言のように言っていた。

 黒い兄弟はアンジェレッタをロッシ家に搬送した。エッダは当然のようにロミオのことを叱った。カセラ教授のことを思い出したロミオは急いで教授を連れてきた。しかし教授の技術でもアンジェレッタの昏睡状態は続いた。

 教授はロッシ一家にパリにいる心臓の専門医を紹介した。しかしロッシ一家にはアンジェレッタをパリに連れて行くようなお金はなかった。ロッシはイザベラのところに行ってお願いした。パリへ行くお金を出してもらうのではなく、アンジェレッタに再び会うように。しかしイザベラは断った。

 そのとき、門の前にロミオ以外の黒い兄弟が集まった。黒い兄弟はモントバーニ家の煙突を詰まらせたのである。ロミオの言う事を聞かないと煙突掃除をしないという作戦に出たのである。しかしイザベラは黒い兄弟に帰るように言って去った。

 黒い兄弟はイザベラに聞こえるように自分達のおばあさんの自慢話をしていると、ロミオが現れた。そして言った。孤独なイザベラ様を思ってるのはアンジェレッタだけだと。それを聞いたイザベラ様は再び姿を現し、アンジェレッタのために一生懸命になれる理由をきいた。

 アルフレドは答えた。ロミオとアンジェレッタの結びつきを。ロミオとアルフレドと黒い兄弟の結びつきを。ロミオもアンジェレッタのことを話した。自分の命が残り少ないというのに自分のことよりみんなのことを祈ってるアンジェレッタのことを。そして黒い兄弟はイザベラにアンジェレッタを助けるようにお願いした。イザベラの笑顔をアンジェレッタに贈るように。心を動かされたイザベラはロミオにアンジェレッタのところに連れて行くようにお願いした。

アンジェレッタの昏睡状態は続いた。しかしロッシ家に着いたイザベラがアンジェレッタに呼びかけるとアンジェレッタは意識を取り戻した。イザベラは涙を流しアンジェレッタを抱きしめた。カセラ教授からパリのことをきいたイザベラは約束した。アンジェレッタをパリに連れて行き、残りの生涯をアンジェレッタのことに尽くすことを。ロミオは喜んだ。しかしそれは別れの時が来たということである。

 旅立ちの前夜、アンジェレッタは約束した。ロミオのことを一生忘れないと。そして旅立ちの時の時が来た。ロミオはアンジェレッタとの別れを惜しみながら汽車を追う。そして汽車はミラノの空に消えていった。ロミオは思った。「さよなら・・・ぼくの天使」

「ねぇ、ロミオ。今夜はとても嬉しかった。ロミオがあたしの夢を叶えてくれたんだもの。ロミオが来てくれたからあたしは本当に幸せになれたの。だからもう悲しい顔はいや。」

アンジェレッタが聖バビラ教会でロミオに言った言葉。このとき、ロミオもアンジェレッタも目に涙を浮かべている。ロミオが流したのは悲しみの涙だと思うが、アンジェレッタが流したのは喜びの涙だと思う。

「あっしは自分の家をたたき売ってでも、アンジェレッタをフランスに連れて行くつもりです。あの子の病気が病気が治るなら、あっしは全財産をはたいても構いません。」

ロッシがアンジェレッタに再度会うようにイザベラにお願いした時の言葉。実の子供でもないアンジェレッタにそこまでするなんて...それ以前にエッダが間違いなく反対するなぁ。

「ロミオとアンジェレッタは喜びと悲しみを分かち合ってどんなときも助け合ってきました。ロミオはアンジェレッタを守り、アンジェレッタもロミオがいるから、笑顔を失いませんでした。僕にも友達がいます。ここにいる黒い兄弟たちです。みんながいるから僕は淋しくない。独りぼっちじゃない。」

イザベラが黒い兄弟にアンジェレッタに一生懸命になれる理由をきいた時のアルフレドの言葉。アルフレド視点から見たロミオとアンジェレッタの関係であるが、同時に黒い兄弟の団結力を示している。そういやアンジェレッタも黒い兄弟だった。(→21話

「僕思うんだ。イザベラ様は財産とか名誉とかたくさん持っていても独りぼっちなんだ。イザベラ様のことを本当に思ってるのはアンジェレッタだけなんだ。」

黒い兄弟がイザベラ様だ悪いといってるときに、ロミオが出てきて言った言葉。イザベラ様の過去を知ってたしても、誰も怖くて言えないだろう。しかし、イザベラはロミオの正直な言葉に心を動かされアンジェレッタに会いに行く。

 アンジェレッタとロミオの別れのシーンが、アンジェレッタの唄う挿入曲とかぶさって結構いい感じです。

 あと、聖バビラ教会で神様に報告した時に、2人して涙して語り合うところとか、イザベラ様が涙するところ、アルフレドがイザベラに黒い兄弟の友情を話すところがいいです。

 アンジェレッタ編最終回である今回は、ロミオとアンジェレッタの関係だけではなく、ロミオと黒い兄弟の関係もうまく描かれてました。ロミオのそのため名言もかなり出ています。アンジェレッタのためにロミオが立ち上がり、ロミオのために黒い兄弟が立ち上がる。そのつながりができたわけなのですが...。

 今回のタイトル、「さよなら・・・ぼくの天使」を聞いて、アンジェレッタが亡くなると思った人は結構いるのではないかと思います。ロミオはアルフレドと別れる時に「さよなら」って言ってませんからね。そんなロミオが「さよなら」っていうと本当に会えなくなるという印象を受けます。そのうえ聖バビラ教会ではかなり危険な状態だったし、最後の夢がかなった直後だったし。こんなことを考えるのも何ですけど、もし仮に教会でアンジェレッタが亡くなっていたら、Bパートはどうなっていたのでしょうか。

 カセラ教授のことはもう少し早く気づけば良かったですけどね。ロッシが気づかなかったふりでもしてたのでしょうか。アンジェレッタの病気じゃ治療代は読めないし。だったらテオ爺さんの息子のレオン(→20話)でもいいのですけど。アンジェレッタって主治医いましたっけ。

 それでイザベラがアンジェレッタを連れてパリに行くことになるのですが、ロミオが一瞬喜んでうつむきかげんになるところがいいです。「良かったね。でも淋しくなるね。」というセリフに表れるのですが。死別するよりこういう別れの方がマシなのでしょうが。

 別れシーンは挿入歌も入っていいシーンなのですが、今までの2人を考えると、意外とあっさりしてます。新しい旅立ちだし、しつこくやると別れが惜しくなるせいもあるのですけどね。