第24話  ねらわれた兄妹

 ある冬の日、大公の婚礼の式のためにイタリア中の貴族がミラノに集まってきた。ニキータはその貴族の中にアルフレド似の美少女をみつけた。

 その頃、アルフレドはシトロンからひどい虐待を受けていた。食費はシトロンの飲み代やギャンブル資金に消え、アルフレドはさらなるノルマを課せられていた。しかも、アルフレドは病気に蝕まれているようであった。

 アルフレドが似顔絵を見てビアンカのことを思い出してると、ロミオがカセラ教授からもらった本を持って現われた。好きなときに本を読むことができないアルフレドを見てロミオがくやしがってると、アルフレドは自分の夢を話し出した。どんなにつらくても、いつかきっとかなう夢を。ロミオは、アルフレドと一緒に夢を実現することを約束した。

 ロミオはいつものように仕事で高級ホテルに行った。そこにはピアノをひく美少女とその両親らしき男女がいた。その美少女は先ほどニキータがみかけたアルフレド似の少女だった。ロミオが掃除を終えて下に降りると、男女のスキをねらって窓から逃げようとする美少女の姿があった。縁づたいに歩く美少女をロミオは止めようとするが、美少女は断った。

 ついに美少女は縁から落ち、パイプにつかまるのがやっとの状態になった。ロミオは窓から縁に出て美少女を助けようとするが、美少女はそれでも「来ないで」と連呼した。下を見た美少女は気を失いかけ、ついに転落しようとした。

 そのとき、ロミオが美少女の腕をつかんで転落を防いだ。ロミオは自分とパイプに縄をかけて、美少女つかまるように言った。しかし美少女がロミオにつかまった途端、2人は一緒に転落した。幸い転落したのはバルコニーの茂みだった。

 美少女はロミオにお礼するどころが、ロミオを突き飛ばし怒った。頼まれてあたしを殺そうとしてると。ロミオが自分は煙突掃除夫だというと、美少女はお兄様の友達ときいた。しかしそのとき美少女の逃亡が気づかれ、美少女はバルコニーから逃げた。ビアンカを捕まえるのよの女の声に、ロミオはその美少女がアルフレドの妹、ビアンカであることに気づいた。ロミオは急いでアルフレドのところに行って、アルフレドとともにビアンカを捜した。しかしビアンカは見つからず夜になった。

 アルフレドはついにロミオに本当のことを話すことにした。

アルフレドとビアンカはピアモンテの子爵、マルティーニ家の子供だった。2人は両親とともに何も不自由なく幸せに暮らしていた。しかしその幸せを妬む(ねたむ)ものがいた。父の弟マウリッツオとその妻グラゼーラである。2人は屋敷に放火し一家を殺し、財産も地位も手に入れようとした。アルフレドとビアンカは火事の中逃げ切ったが、両親は火事に巻き込まれた。そのとき父はアルフレドにマルティーニ家の家宝を渡した。
家宝を引き継いだアルフレドはビアンカを連れて、マウリッツオから一生懸命逃げた。放火の濡れ衣はアルフレドとビアンカに着せられ、お尋ね者の似顔絵が配られた。ビアンカは追っ手の目をごまかすために長い髪を切った。
ある日、アルフレドとビアンカは農家にたどり着いた。その農家の手伝いをしようとしたのである。そのとき、死神ルイニが農家にやってきた。アルフレドは売られて、そのお金はビアンカの養育費になった。こうして兄妹は離れ離れになったのである。アルフレドは命より大事なマルティーニ家の宝を持ってミラノに連れてこられ、ビアンカはマウリッツオに捕まりミラノにつれてこられた。

 ビアンカをひとりにしたことを後悔するアルフレド。そんなアルフレドを見て、ロミオはビアンカを助けることを約束した。

 一方、ビアンカもアルフレドを捜していた。そのとき一つの影がビアンカに迫ってきた。

「大丈夫。僕は負けないさ。情熱さえあれば、どんな苦しいことがあっても夢を叶えられる。」「でもいつかきっと皆が自由に学び、自由に生きられる時代が来る。僕達がつくっていくんだよ。新しい時代を」

自由に勉強できる子どもをみたロミオが悔しがってる時に、それ見たアルフレドが言った夢。この夢がロミオの人生に大きく影響する。

 アルフレドが夢を語った後に、夢の実現のためにロミオに協力を求めるところ。「ロミオがいなくちゃ駄目だ」というすごい発言もあるが、手合わせて「夢を実現するんだ一緒に」と誓うところがいい。しかしナレーションがネタバレ(笑)

 今回はAパート、Bパートで内容は分かれてましたが、両方ともこれから最終回までを考えると重要な位置づけでして。

 Aパートのメインはアルフレドが夢を語るところ。アルフレドはシトロンに虐待されつつも、いつか叶えられる夢を見ています。アルフレドがロミオにこういうこと言うの何か久々ですね。第6話以来じゃないですか。

 そしてAパートの後半に我らがお嬢様、ビアンカの登場です。長い髪を切って、不機嫌にピアノで「OnlyTruth」を弾いてみたり、ホテルの高いところから逃げようとしたり、ロミオが助けようとしてるのに無理に拒んだり、ロミオほどじゃないけど無理してるキャラです。そのうえ助けてくれたロミオを突き飛ばすし。ロミオいわく「君みたいな女の子は初めてだ」だけど、アンジェレッタ、アニタはともかく、ニキータとも違うタイプなのか。

 今回唯一のアクションシーンは転落しそうなビアンカを助けるシーン。何か宮崎作品みたいで(笑)。アンジェレッタでは当然こういうシーンできないです。風のSEが結構お気に入りです。捕まって落ちるときに風が強くなったりして。この風ってビル風ですよね。ビルじゃないですけど。

 ところで、よくよく考えれば、マウリッツオの放火でアルフレドが煙突掃除夫になって黒い兄弟になったんですから、皮肉なもんですね。まー彼のことだから放火に巻き込まれずに幸せに暮らしても、貧しい子どもの立場を少しはわかったと思うのですけど。

 あと目の前で両親が火事で死ぬのはかなりのトラウマになるかと思います。そのうえ追われる身になって、お兄ちゃんと離れ離れになって、放火犯に人質として捕まったらそりゃあんな表情になりますね。>ビアンカ

 アルフレドの夢を一緒に叶えるAパートの約束もいいのですが、ビアンカを助けるBパートの約束をとにかく実行して、ビアンカの笑顔を早く見せてください>ロミオ