第26話  誇り高き魂


 アルフレドはビアンカに会った途端、倒れてしまった。ロミオ達はアルフレドをカセラ教授のところへ運んだ。教授は夜遅くまでアルフレドを診察したが、その結果は予想以上に悪いものだった。しかし、アルフレドはそのことがわかっており、ビアンカをカセラ教授に託したのである。アルフレドがカセラ教授と話していると、ビアンカが病室に入ってきた。ビアンカはアルフレドが意識を取り戻したことで泣き喜んだ。カセラ教授は兄妹を病室に残してその場を去った。

 ピアが病室に食事を届けに行くとアルフレドとビアンカの姿はなく、そこには手紙が置いてあった。手紙には、契約が残ってるからシトロンの所に戻ること、病気に関しては秘密にすることが書いてあった。

 アルフレドが倒れてしまったことで、黒い兄弟はアジトで落ち込んでいた。そこにアルフレドが帰ってきた。黒い兄弟は喜んでアルフレドに駆け寄った。アルフレドはビアンカをアジトに連れてきた。黒い兄弟に入りたいというビアンカ。黒い兄弟はビアンカの入会を快く承諾した。

 一方、アルフレドもビアンカも勲章も失ってしまったマウリッツオ夫妻はニセモノの勲章を作成した。ニセモノの勲章を作って晩餐会に乗り込もうとしたのである。

 その頃、アルフレドとビアンカも本物の勲章をつけて晩餐会に乗り込もうとしていた。国王に会って放火事件の真実を訴えるのである。黒い兄弟はもちろん、この計画に賛同した。

 黒い兄弟は晩餐会に乗り込む計画をたてた。現地調査をしたり、着ていく礼服を縫ったりもした。色々作戦を試しているうちに晩餐会の前日がやってきた。いつもロミオばかりと話しているアルフレドにビアンカは嫉妬した。ビアンカがそのことで問い詰めたら、アルフレドは答えた。ロミオの素晴らしさを分かって欲しいと。アルフレドに、ロミオのことが好きになると言われたビアンカは赤面してその場を去った。

 その日の夜、一人になったアルフレドの前にニキータが現われた。体の具合を心配するニキータに大丈夫だと答えるアルフレド。アルフレドが花飾りの約束の話をしたら、ニキータは永遠にかなわないよと強がった。すると、アルフレドは再び病に襲われ吐血した。ニキータは取り乱し水を取りに行った。しかしアルフレドは無理して歩き出した。

 アルフレドが壁につかまって歩いていると、ジョバンニが姿を現した。


「僕にはわかりました。すぐそばに迫ってきたものが。それが僕の運命なら、逃げるつもりはありません」

 カセラ教授から治療を受けようとした時のアルフレドの言葉。ロミオという信用できて意志を引き継ぐことができる相手がいるからこそ、運命の覚悟ができたのだろう。


「ビアンカ、わかって欲しいなー。僕がどれだけロミオを信頼しているか。ロミオは自分がどんなにやさしいか、少しも気付いていない。本当に大きな勇気を持ってるのはロミオなんだ。お前もきっとロミオが好きになる。」
 ロミオに嫉妬したビアンカに、問い詰められた時のアルフレドの答え。ビアンカにもロミオを薦めてるのだけど、ビアンカはブラコンでお兄ちゃんが一番な娘なもので。そんなお兄ちゃんより上の男の子って何つーことになるんだな。けれど、そのあとの
「大人になったところを見たかったなー。」
の一言は(泣)


 黒い兄弟がアルフレドを国王に会わせる計画で団結しているところ。最初にやった誓いの儀式を彷彿させます。ロミオの「この作戦は黒い兄弟の誇りだ」の一言がいいです。

 
 今回の話はさすがにアルフレドメインです。迫ってる運命をきちんと受け入れ、それが来るならその前に何としてでも夢を実現しようとする姿勢は立派です。それでアルフレドはビアンカが孤独にならないようにいろいろやってますね。カセラ教授にまかせたり、黒い兄弟に入れたり、ロミオと結びつけたり(笑)。アルフレドに運命が訪れた後、お兄ちゃんばかりに依存してるビアンカがどう成長するか楽しみです。

 それでそのビアンカですが可愛すぎます(爆)。髪をかきむしって男の子になるって。真っ赤になって、「お兄ちゃんなんて嫌いよ」って怒り出すし。

 最後はジョバンニさん、久々の登場ですね。第18話以来ということになります。けれど相手は吐血している病人。そして、アルフレドがジョバンニと会って危機一髪になってるときに、次回へ...。やはり、今回の主人公はアルフレドのようです。