第27話  長い一日の始まり


 病気で意識を失いかけたアルフレドのところにジョバンニが現われた。ジョバンニはアルフレドを倒したいと攻撃してきた。最初は対等に殴りあったが、またも病気が襲ってきた。ジョバンニは病人を殴れないと攻撃をためらった。アルフレドは決着をあとでつけることを約束して、ジョバンニのもとを立ち去った。

 負けてないのに負けたように感じたジョバンニは不機嫌になった。そこにニキータ以外の狼団が現われた。アルフレドに会えないから不機嫌だと勘違いした彼らはアルフレドを生け捕りしようとした。

 晩餐会の朝、黒い兄弟がだ大公邸の近くに集まった。しかしそこにはアルフレドの姿はなかった。そのころアルフレドは子どもから手紙をもらった。その手紙はニキータからのもので「ビアンカが大変だ。サンタマリア橋に来い。」と書いてあった。しかしそれは嘘の手紙で、ビアンカはドレスを持って黒い兄弟のもとに現われた。

 アルフレドはサンタマリア橋の地下に入った。地下水道のとある部屋に入ろうとするとタキオーニに突き飛ばされ、アルフレドは閉じ込められた。

 アルフレドがいつまでたっても来ないことで不安になったロミオはダンテ、ミカエルとともにアルフレドを捜すことにした。ロミオは捜してる途中、酔ったロッシに会った。ロッシは地下水道に入っていくアルフレドを目撃したのである。ロミオは急いでサンタマリア橋に向かった。

 ロミオが地下水道でアルフレドを捜していると、アルフレドを見張ってるタキオーニ達が現れた。タキオーニ達は攻撃してくるが、ロミオは相手している暇がないと逃げた。逃げているうちにロミオは閉じ込められているアルフレドを見つけた。しかし、アルフレドはガラスの向こうで、そのうえ10メートルほど下にいた。すると、タキオーニ達が追ってきた。決意したロミオはガラスを突き破り、アルフレドのところに飛び降りた。

 アルフレドが閉じ込められてる部屋には、タキオーニ達が見張ってる出口の他に、荷物でふさがれている出口があった。2人はその荷物をどかした。アルフレドはロミオと逃げようとしたが、ロミオはアルフレドに晩餐会に行くように言って、自分はタキオーニ達を引きとめようとした。2人は誓いのポースをして別れた。

 タキオーニ達が下に降りてきた。ロミオはアルフレドが逃げた道をふさいだ。タキオーニに殴られてもかたくなにふさいだ。そこにジョバンニとニキータが現われた。ジョバンニがロミオにアルフレドのために闘う理由をきくと、ロミオが答えた。「アルフレドといるだけで勇気が湧いてくる」と。すると、ニキータがアルフレドの病気のことを言ってしまった。亡くなったジョバンニの父親と同じ病気にかかったと。ロミオは最初は取り乱したが、ずっと病気のことを黙っていたアルフレドのことを思うと肩を落とした。しかし、ロミオは顔を上げジョバンニに晩餐会のことを話した。ロミオの一生懸命さを感じたジョバンニは、今夜限り狼団と黒い兄弟の同盟をむすび、一緒に晩餐会に行くことにした。

 アルフレドは無事、ビアンカや黒い兄弟の仲間たちに出会い、作戦のスタートを切ることができた。しかしミカエルが大公邸でウロついていると、グラゼーラに見つかってしまった。


 「君と僕は似ているかもしれないな。僕にもっと時間が残っていたら、友達になれたかもしれない。」

 アルフレドがジョバンニとの再戦を約束したあとに言った言葉。アルフレドは前回に続いて、運命が近づいているようなことを口走ってしまう。


 「君は国王に会うんだ。そして君の父さんと母さんを殺したの誰なのかを訴えるんだ。晩餐会に乗り込め。君とビアンカの名誉のために。僕は君を守る。」

 地下室でロミオがアルフレドを逃す時に言った言葉。自分を犠牲にしてまでアルフレドの夢を叶えさせようとしている。守る気持ちもわかるけど、アルフレドとしてはロミオと一緒に晩餐会に乗り込みたかったのでは。


 「確かにお前は強いかもしれない。でも力で仲間を思い通りにしてるだけだ。アルフレドは違う。アルフレドといるだけでみんなの胸の中に勇気が湧いてくるんだ。本当に強いのはアルフレドだ。」

 アルフレドのために闘う理由を、ジョバンニに聞かれた時のロミオの答え。これでジョバンニは自分が負けてるように感じた理由がわかったのだろう。他のメンバーはともかく、ニキータがジョバンニの仲間になってるのは、力だけでは無いような気がするのだが。

 「アルフレドは僕の一番の友達だ。僕のかけがえのない親友だ。そのアルフレドが命をかけて名誉を守ろうとしてる。だから僕は行くんだ。親友のアルフレドを守るために。」

 ロミオが狼団に説明した晩餐会に行く理由。アルフレドの不治の病を知ってしまった直後なのに、立ち直って言ってしまうからすごい。このロミオのアルフレドに対する一生懸命さで、ジョバンニはアルフレドに負けたことを認めたのか。


 ロミオがアルフレドを助けるために、ガラスを突き破って飛び降りるシーン、及びそのあとの誓いのシーン。10メートル下に飛び降りるのは名作劇場一のアクションシーンじゃないでしょうか。アルフレドを守って自分が犠牲になるところは、ロミオらしさを感じました。


 物語はクライマックスが近づくにつれてだんだん濃密になってきます。アルフレドが闘うのは初めてですね。前回の狼団との決闘の時は人質でしたから。それで実際ジョバンニとの喧嘩となると強くてかっこいいこと。今までアルフレドの攻撃といえば体当たりで、殴るという攻撃は初めてです。まるで「がんばれ元気」です。

 アルフレドのところに来たニキータからの偽手紙って書いたのは誰でしょうか。脚本の島田さんの設定だと、狼団で唯一読み書きできるのはニキータだけって書いてあったもので。それでアルフレドは地下水道ダンジョンに入ります。ねずみは100ptぐらいでしょうか。

 ロミオもロッシからのアドバイスを受けて、地下水道ダンジョンに入り狼団に捕まります。ここら辺はRPGでやると面白そうですね。そして今回2度目のアクションシーン、アルフレドのところへの落下です。もちろん下にクッションがあるなんて知る由ないです。あの四面楚歌状態じゃそれがベストだと思うのですけど。

 ニキータの一言は必要だったのでしょうか。それに対するロミオの落ち込みは予想ほどではなかったし、ギリギリまで引っ張った方がよかったです。狼団がロミオと手を組んだ理由として、ロミオのアルフレドに対する信頼が考えられますが、アルフレドへの情けも入ってそうな気がするので。

 それで最後にミカエル。またやってしまいましたね(失笑)。