第18話  朝日にとどけ!団結の歌


 ミカエルをさらった狼団はその代わりにアルフレドを引き渡すように要求してきた。ロミオはアルフレドにそのことを知らせ黒い兄弟を集めようとしたがアルフレドは引き止めた。

 アルフレドはロミオとともに記念墓地に向かった。そこには狼団とさそり団がミカエルを拘束している姿があった。アルフレドは雨のなか一人彼らのもとへ立ち向かい、ミカエルを返すように言った。ジョバンニはアルフレドを殴り飛ばした。狼団はミカエルを解放しアルフレドをさらった上で、黒い兄弟に決闘を申し込んだ。当然ロミオはそれを受けて立った。

 狼団のアジトに連れこまれたアルフレドはジョバンニの手下になるように要求された。しかし、アルフレドはそれをかたくなに拒んだ。仲間が助けにくることを信じて。

 ロミオとミカエルはアジトに行って、仲間に決闘することを伝えた。アルフレドを取り戻すように協力を求めたのである。しかし乗り気だったのはアントニオとアウグストだけだった。相手が狼団でしかもサソリ団を吸収していたために、みんな怖がっていたのである。ロミオは、やる気のないみんなに黒い兄弟の誓いを思い出させて、ふたたび協力を求めた。もし決闘に参加するなら日の出前に集まるようにと。

 狼団のアジトではニキータがアルフレドのことを監視していた。ニキータはアルフレドに決闘前でも平気でいられる理由を聞いたら、アルフレドはロミオのことを話した。ロミオは必ず何かやることを。ロミオを信じていることを。

 部屋にいたロミオのもとにアンジェレッタがやってきた。ふたりは一晩中何も話さずに座っていたが、アンジェレッタにはロミオの身に何が起こってるかわかっていた。アンジェレッタはロミオにロザリオをプレゼントした。そして旅立ちの時がきた。

 夜更けのミラノをひとり、センピオーネ公園に向かうロミオ。その前に仲間たちが姿を現した。ついに決闘の時がきた。負けたらジョバンニに跪(ひざまづ)ければならない小道具なしの勝負である。殴り合いの喧嘩をする黒い兄弟と狼団。そのうち敵味方構わず殴るようになった。それを見ていたアルフレドは喧嘩を止めた。このままでは勝負がつかないうえに、お互い大怪我するばかりである。

 そこでジョバンニは一騎打ちすることにした。互いから一人ずつ出て決闘するのである。狼団からタキオーニが出てロミオを対戦相手として指名した。タキオーニはロミオをぶん殴るがロミオはくじけなかった。劣勢に回ったタキオーニはついにナイフを取り出した。ナイフはロミオの服を切り裂き、アンジェレッタからもらったロザリオがあらわになった。ロミオはタキオーニに押さえられ、ナイフが目の前に迫ってきた。

 そのとき、雲の間から一筋の光が降りてきて、ロザリオに反射した。その反射した光はタキオーニを直撃した。タキオーニがひるんだすきに、ロミオはタキオーニを蹴り飛ばした。黒い兄弟が勝利したのである。

 ジョバンニは狼団の負けを認め、約束通りアルフレドを解放した。そして、アルフレドとは改めて決着をつけることにした。ロミオは黒い兄弟の英雄になった。黒い兄弟が歌う「英雄のマーチ」が朝のミラノに響いたのである。


 「受けて立とう。決闘に勝ってアルフレドを取り戻す。絶対に。」
ロミオが狼団から決闘を申し込まれた時の答え。ここだけではないのですが、今回のロミオ、全編を通して凛々しい顔をしています。黒い兄弟に対してまとめるリーダーの有無より、そのリーダーというより大親友を絶対救い出すという考えが先行してたのではないかと思います。


「僕は信じてる。明日、必ず仲間が、黒い兄弟がお前達を倒すだろう。」
アルフレドが狼団にとらわれ脅迫されているときに言った言葉。それを聞いた時、ジョバンニやニキータの表情が止った。アルフレドのこの態度で、アルフレドはジョバンニのおもちゃになった。(をい)


 アンジェレッタがロミオにロザリオを渡すところもいいのですが、個人的にはそのロザリオが威力を発揮するところが。理由は感想のところで後述しますが...。ロザリオが不思議な能力を秘めているかのように描かれてますね。このロザリオ、今回限りなのが残念です。


 この作品は少年漫画に近いですが、今回の話はほとんど少年漫画です。というか素手の殴り合いなんて、名劇どころが普通のアニメではやらないですよ。少年漫画にしろ何らかの技や武器を使ってるし、海外での放送規制は大丈夫でしょうか。ナイフの件は国内でもマズかった時期あるし。(再放送されない理由はこれだと思っていた。)

 けれどもこれが本当に少年漫画だったら、一騎打ちではなく5人ぐらい選抜しての対決ですね。ミカエルVSリオ、ダンテVSファウスティーノ、アントニオVSリナルド、ロミオVSタキオーニ、アルフレドVSジョバンニで4ヶ月ぐらい、個人別で勝つのはダンテ、ロミオ、アルフレドの3人と妄想したりしてます。

 今回の話のキーになるのがアンジェレッタのロザリオですね。私はこういうアイテム系が主人公を救う話に弱いです。ベタですけど、ペンダントが敵の足にひっかかり標的がずれてしまうとか、ペンダントに弾が当たり心臓を守るとか。(あ、これ両方とも同じ作品のエピソードです。

 あと、気になるのがそのロザリオを渡すシーン。視聴者の8割以上が別れのキスをしてたのではないかと思わせる紛らわしい演出ですね。本当はロザリオを渡しながら、別れのキスをしてたのですけど(をい)。そのロザリオは胸で光る時はDアーク状態ですね。ロミオがピンチになったとき、ピッコロモン究極進化という感じで。

 今回のニキータですが、前回ほどではないもののかなりいいシーンがあります。アルフレドとアジトで二人っきりになったときとか、去るときに微笑むところとか。対狼団編が終了してニキータの出番が減るのは残念ですけど、再登場に期待しましょう。