4.筑豊と熊本編
ドリームにちりん | 5092M | 南宮崎 |
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折尾 |
サハ783-207 | 23:30 | 5:53 |
「ドリームにちりん」は「ドリームつばめ」に比べて寝心地が悪いせいか、大分停車中に目が覚めてしまった。まだ4時前である。大分からは立派な始発列車で客も4〜5名乗って来た。別府で再び眠るが、行橋で起きる。寝ぼけたためか、小倉での椅子転換を忘れてしまい、後ろの客に迷惑をかけてしまう。そして、まだ夜が明けてないうちに折尾に到着した。雨は大分付近で止んでいたものの、北九州では降っていた。
福北ゆたか線普通 | 6521H | 折尾 |
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直方 |
クモハ817-13 | 6:27 | 6:47 |
鹿児島線下りホームから福北ゆたか線のホームに降りると、若松線のディーゼルカーが停車していた。電化区間は折尾までで、折尾から若松までは非電化である。福北ゆたか線の電車は折尾で折り返すか、黒崎、小倉方面に向かう。若松線のディゼルカーが発車して、6時17分直方からの817系の回送電車が入線した。
其の一で前述したが、817系は今月6日にデビューしたての電車である。新規に電化された福北ゆたか線(博多−直方−折尾)にも投入された他、外装の少し違うものが長崎本線、佐世保線にも投入された。円形配置のつり革と木製シートが817系の特徴である。1日目に博多、2日目に鳥栖とハウステンボスで目撃したが、乗車は今回が初めてである。木製シートは少し固いものの座り心地は良かった。正面のLEDサボは地下鉄大江戸線のように「福北ゆたか線」と「直方・篠栗方面」を交互表示していた。電車は軽快にボタ山を横目に直方へ向かった。
直方はつい最近まで気動車ばかりだったが、今では817系や813系と電車ばかりである。415系4両編成の姿もあり、水戸線を彷彿させる。時間はあったものの、小雨がぱらついていたので外には出なかった。
かいおう1号 | 2071H | 直方 |
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博多 |
モハ786-106 | 7:13 | 8:00 |
「かいおう」も今月6日、つまり福北ゆたか線が電化された時にデビューした特急である。博多−直方間47.4キロを47分で結び、JRの在来線特急としては最短距離を走る。しかし、博多−佐賀を36分で結ぶ「かもめ103号」が存在するので、最短時間ではない。なお、「かいおう」の愛称は地元出身の力士「魁皇」からきており、「シーボルト」に続く人名由来である。
1日1往復の「かいおう」には専用車両はなく、「有明」と共通運用である。「ARIAKE」のステッカーを貼った「つばめ型車両」4連が入線してきた。今日は日曜日なので、直方発車直後の乗車率は20%ほどだった。新飯塚でまとまった乗り込みがあり、乗車率は60%ほどになった。桂川で原田線の黄色いディーゼルカーに接続すると、博多の手前、吉塚までノンストップである。
つばめ3号 | 3M | 博多 |
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熊本 |
モハ787-16 | 8:15 | 9:29 |
其の一で前述したが、一部の「つばめ」は福北ゆたか線のホームから発車する。「かいおう1号」も「つばめ3号」のホームの真向かいに停車して便利である。「つばめ3号」は門司港から来るタイプで、唯一博多以東に直通する「つばめ」である。しかも、途中の熊本で後ろ4両を切り離すのである。今日は日曜日で大して乗ってなかったが、平日は11両編成という長大編成にエクセルパスを持った客を乗せるだろう。
私は西鹿児島編成に並ぶ長蛇の列を横目に、誰も並んでいない熊本編成に向かった。博多で降りる客より北九州からの直通客の方が多そうである。熊本編成は4連で「有明」の車両だった。この切り離した「有明」編成が水前寺まで走れば、北九州と熊本の中心部が乗換えなしで結ばれ、便利である。有明18号の前運用を回送から客扱いに変更して、1433Mの発車時間を7分遅らせれば無理がないが、有明16号との交換は南熊本での運転停車になりそうである。時刻表表示は「有明3号(門司港−熊本間[つばめ3号]に併結)」となるだろう。熊本編成は久留米でほとんどが降り、熊本まで乗り通した人は10人もいなかった。熊本での切り離し作業は1分ほどで終了した。時間があるので、お土産を買ったり、超低床式路面電車を撮影する。
SLあそBOY | 8411レ | 熊本 |
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武蔵塚 |
オハフ50-701 | 10:14 | 10:36 |
ここまで来ると旅も大詰めである。熊本からは「SLあそBOY」に乗る。しかし阿蘇まで行く前に「あそ」とすれ違うので、「あそ」と交換する一駅前、武蔵塚で降りることになる。9年前にも「18きっぷ」で「SLあそBOY」に乗ったのだが、その時は「18きっぷ」で「ハイパーサルーン」に乗りたかったことと、熊本から「ムーンライト九州」に乗りたかったため、武蔵塚の先、三里木からの乗車となった。(当時、「有明」は熊本−水前寺間にディーゼル機関車牽引の普通列車として乗り入れていた。)
8620機牽引の「SLあそBOY」が豊肥本線ホームに入線するや否や、撮影会が始まった。登場して13年も経つのに大変な人気である。1号車は観光客、2号車は幼稚園の団体で占められており、言うまでもなく満席である。(私は予約をとった時、「SLあそBOY」の満席を危惧していた。)「有明3号」が到着して数分後、汽車はゆっくりと熊本駅をあとにした。
車内放送前の音楽はウエスタンを意識した「ローハイド」である。車内にはテレビが付いていたが、何も映し出してなかったのは残念である。9年前に乗ったときはディズニーのアニメをやっていたと記憶しているが。東海学園前を通過すると、急いでウエスタン風の"制服"に身を包んだ車掌さんから黒い検札印をもらい、車内売店でお土産を買う。
武蔵塚は構内踏切付きの相対式ホームである。構内踏切が阿蘇寄りにあったおかげで、線路に近い位置からSLの走行音が録音できた。武蔵塚は特急停車駅としては小さいが、武蔵ヶ丘団地の最寄駅で乗降客は多そうである。新水前寺まで快速でわずか10分で、単線にも関わらず7時台は約10分毎である。日中時に増発してパターン化して欲しいところだが、交換可能駅が少ないのがネックとなる。「SLあそBOY」から武蔵塚に降りたのは自分一人だったが、駅長さんの話によるとここで降りて「あそ」で折り返すトレインピック参加者は多いとのことである。
あそ2号 | 72D | 武蔵塚 |
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熊本 |
キハ185-15 | 11:06 | 11:23 |
武蔵塚駅で熊本方面の列車を待っていた人は何人かいたが、特急「あそ」に乗ったのは自分一人だけだった。2枚きっぷを使えば、「あそ」と「有明」を乗り継いでも特急料金は各々に払わなくても済む。しかも福岡市内−武蔵塚間の2枚きっぷは福岡市内−熊本の2枚きっぷと同額である。「あそ」の利用率は外国人観光客を含め60%ほどだった。
有明24号 | 1024M | 熊本 |
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博多 |
モハ787-24 | 11:40 | 13:03 |
「有明」は「トレインピック21」で最後のターゲットとなる列車である。「つばめ」登場以前は九州を代表する列車だった。88年春改正では特急で初めて「ハイパーサルーン」が投入されたが、92年夏改正には西鹿児島系統の「有明」が「つばめ」となり、「有明」は博多−熊本間の運転に甘んじた。99年春改正には「つばめ型車両」を新製して「有明」に投入、博多−熊本間は毎時特急3本が運転されるようになった。00年春改正には「ハイパーサルーン」が全て「つばめ型車両」に置き換えられた。
「有明」は今年の春から一部が小倉に乗り入れるようになったが、私が乗ったのは博多折り返しである。この「有明」は「つばめ」が通過する上熊本、玉名、荒尾、瀬高、羽犬塚にも停車する。本数が多いせいか、熊本発車時点でそれほど乗っておらず、久留米を過ぎても乗車率は40%ほどだった。
のぞみ20号 | 20A | 博多 |
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東京 |
725-626 | 13:22 | 18:27 |
帰りの道は「のぞみ」を使う。博多発車時点での乗車率は15%ほどだったが、小倉で30%、広島で60%、岡山で95%といった具合に東に進むにつれ、乗車率は上がっていく。客室定員が100人なので混雑率が計算しやすい。岡山でほぼ満席になったので、ここからは乗客の入れ替えである。新神戸では5%、新大阪では20%、京都では10%、名古屋では20%といった具合だった。岡山以東では、数分前を先行する東海道「のぞみ」の指定をとれなかった客が、新大阪や名古屋で降りる客の分を取り合うといった感じである。九州からの客はほとんどが名古屋で降りた。
「しなの」の遅れのため、「のぞみ」は名古屋を4分の遅れで発車した。しかし、三島を通過したときには1分遅れまで回復し(追い抜く「こだま」の発車時間から推測)、東京駅にはほぼ定刻に到着した。