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ロミオとニキータは兵士に追い出されるという形で黒い兄弟や狼団のところに戻ってきた。ロミオはアルフレドが無事国王に会ったことを皆に報告した。 一方、大広間ではマウリッツオとアルフレドが真の勲章のことで言い合っていた。イザベラは特にアルフレドの肩を持つわけでもなく見守るだけだった。マウリッツオは国王の前でもアルフレドに放火の濡れ衣を着させた。さらには煙突掃除をやってることも言った。 しかし、アルフレドは国王に直訴した。煙突掃除夫になって、たくさんの仲間に会ってから、仲間を信じることの素晴らしさを学んだと。それは煙突掃除夫でも貴族でも違いはないと。 アルフレドには主張が間違っていたときの覚悟ができていた。マウリッツオは国王に勲章を渡した。国王はその勲章の裏を厳しく見た。マウリッツオは、勲章は21年前、国王の父が兄ビットリオにお渡ししたものだと言い張った。国王がマウリッツオにとある印のことをきくと、マウリッツオはその印のことを知らなかった。 するとアルフレドは言った。勲章の裏に彫られた祝福の印のことを。アルフレドの父は祝福の印のことを生涯誇りに思っていた。マウリッツオの勲章にはその祝福の印がなかった。そしてアルフレドは祝福の印がついた勲章をかかげた。国王は祝福の印を確認した。祝福の印さえ知らずに勲章を偽造したマウリッツオとグラゼーラは、当然ながら連行された。アルフレドとビアンカは天国にいる両親にすべてが終わったことを報告した。 アルフレドとビアンカは国王にお呼ばれした。その一方アジトに戻った黒い兄弟は心配していた。アルフレドがここに戻って来ないで故郷に帰ってしまうことを。しかし、故郷に帰ることでアルフレドが幸せになれるならそれが本望だと思った。 そのときアルフレドとビアンカがアジトに戻ってきた。煙突掃除夫である自分にはここしか帰る場所がないと。アルフレドは無実を晴らす夢を叶えてくれた黒い兄弟に感謝した。夜が明けてきた。ロミオとアルフレドは黒い兄弟の仲間たちと別れる前に、お互い誓いのポーズをした。 アルフレドはビアンカにカセラ教授のところに帰るように言った。ビアンカは最初は嫌がってたが、兄のことを思って素直に帰ることにした。ビアンカが別れる寸前、アルフレドはビアンカのことを強く抱きしめた。 アルフレドとロミオは今日のことを神様に報告するために聖バビラ教会へと向かった。アルフレドは神様にお祈りしながらロミオとの初対面のことを思い出していた。そしてロミオに今までのことを感謝した。ロミオはそんなアルフレドをソノーニョ村に誘おうとした。けれどアルフレドは意識を半分失いかけていた。 ロミオはアルフレドのところに駆け寄った。するとアルフレドは旅立たなければならないことをロミオに言った。現実を知ってしまうロミオ。アルフレドはそんなロミオに最後の力を振り絞って誓いのポーズをした。ロミオも誓いのポーズをするが、アルフレドはついに倒れてしまった。 朝の光の中、アルフレドは意識が薄れながらも、ロミオに夢とビアンカを託した。そしてアルフレドは微笑みながら目を閉じた。 ミラノの空にロミオの泣き叫ぶ声がこだました。 |
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「僕は煙突掃除夫であることを恥じたことはありません。」「貴族も煙突掃除夫も同じだからです。」 「僕は煙突掃除夫になってから本当の友達と呼べる仲間に出会いました。みんな僕と同じ煙突掃除夫です。毎日ススにまみれて、灰にまみれて一生懸命働いています。でも皆はどんなにつらくても希望を失いません。それはお互いが信じあってるからです。人を信じる尊さ、人を信じられる心の素晴らしさ、その心を大切にする事ことでは、貴族も煙突掃除夫も違いはありません。僕はそれを皆から学びました。そのことを誇りに思います。」 長文です(笑)。アルフレドが国王や貴族にした演説です。12歳の少年の言葉とはいえ、周りにかなりの影響を与えたかと思います。けれども学びましたということは、今まで知らずに育ったということかな。 |
「だってアルフレドがいたから僕達は幸せになれたんだ。今度はアルフレドの番だ。アルフレドが幸せになれるのなら、僕はそれで満足だ。」 アルフレドが黒い兄弟に戻ってこないことで不安がる黒い兄弟にロミオが言った言葉。一番アルフレドのことを慕ってるロミオの言葉なので皆同調する。たった今、アルフレドを幸せにしたばかりなのにロミオは気付いていないのか。 |
「アイツなら負けやしない。そんな病気にアイツが負けるわけがない。アイツを負かすのは俺だ。」 アジトから帰る黒い兄弟を見て、ジョバンニが言った言葉。アルフレドに自分に似たところを見いだしたから言えるのだろう。そのとき決闘を仕掛けたかったのだけど、最後まで仕掛けられなかったんだろう。 |
「ロミオ、君は何も知らないんだなぁ。僕がどんなに君を頼りにしてきたか。ロミオはいつも僕の心の支えだったんだよ。ロミオ、君に出会っていなかったら、僕はどうなっていただろう。きっと復讐を誓うだけのつまらない人間になっていた。君がいたから、僕は今日まで生きてこれた。ありがとう、ロミオ。」 アルフレドが今までのことを思い出して、ロミオに感謝した言葉。ここに今までの集大成がつまっている。今日まで生きてこれたというのがミソ。 |
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アルフレドが、最後の力を振り絞って誓いのポーズをするところ。最後までロミオに希望を与えている。前の別れの時は夕日をバックにしてたんだけど、今回は朝日の中で誓いのポーズをしている。その光は神様が迎えに来たかのように見える。 |
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やはりこんな悲しい結末が待っていました。 名劇では初めてじゃないでしょうか、主人公のかけがえのない親友の最期を描くのは。「フランダースの犬」で主人公が亡くなったせいか、名劇って結構人が亡くなってると思われがちですが、実はそうでもないのです。特に、ほとんどの話に出ていたウエィトの高い人物となると「赤毛のアン」のマシュウぐらいじゃないでしょうか。 アニメでもドラマでも死の描写というのは難しいものです。少しでも演出やタイミングをずらすと、感動が半減してしまいます。さらに、話の回数がある程度固定してないと、十何話も出た主要キャラを死なせるというのはまず難しいかと思います。亡くなった主要キャラ抜きで永遠とストーリーをやるのは。「名劇」は1年と決まってるのでそれに関しては有利だと思います。 アルフレドの最後のシーンでウェイトが高かったのは、セリフとロミオの表情だと思います。 セリフは全然、「死」という表現を用いてません。代わりに「一緒に大人になれない」とか「僕の見られなかったものを」といった「死」以上にきつい表現をしてます。私もアルフレドに関しては「死」という表現を用いてません。今までも運命という表現してたし。これから先の話を見ればわかる(特に30話と33話)と思いますが、あのような存在になってるアルフレドに死という表現はふさわしくないと思います。 ロミオの表情はすごかったです。特にアルフレドの「大人にはなれないんだ」を聞いたときに豹変する様が。私は、オンリーイベントでそこを見て泣きました。キャラの表情だけで涙を誘う名劇スタッフは本当にすごいと思います。 ベストシーン以外にも、もう一つ好きなシーンがあります。アルフレドが国王や貴族に演説しているところです。TBS金曜野島ドラマ(「人間・失格」「未成年」)にこういうシーンがいつもあるせいで、気に入ったというのもあるのですけどね。12歳の少年の主張は結構、国王や貴族に響いたかと思います。高い地位の人はふれあいというのを忘れがちになりますからね。 感動シーンもさながら、ビアンカはいいですね。特に「お兄ちゃんに嫌われたくないもん」は最高です。 |
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