第16話  ライバルはアルフレド!


 黒い兄弟の秘密会議では、誰が一番最初に狼団に突っ込むかでロミオとアウグストがもめていた。しかしアルフレドは、一人一人が強い狼団に立ち向かうには、一人が突っ込むのではなくチームワークが必要だと言った。そこで、いつもねらわれるミカエルをおとりにして、ミカエルの合図で狼団のひとりを取り囲むという作戦を立てたのである。黒い兄弟はこの作戦に賛同し、アルフレドを尊敬の眼差しで見た。ロミオは意地を張った自分を恥ずかしく思った。

 会議のあと、ロミオが忘れ物をとりにアジトに戻ると、そこには本を読んでいるアルフレドの姿があった。ロミオはそんな本を読むのが好きなアルフレドをカセラ教授に紹介した。アルフレドは教授の生徒が置いていったヴォルテールの本を借りることにした。その本には、自由と平等について書いており、大学生にも難しい。そんなアルフレドの行動を見たピアはロミオを子ども扱いした。

 黒い兄弟を仕切るアルフレド。難しい本を読むアルフレド。そんな大人っぽいアルフレドにロミオはコンプレックスを感じた。そこでアルフレドに近づくためにアンジェレッタから薦められた本を読むことにした。

 ロミオはミカエルやダンテにからかわれながらも、ブレーメンの音楽隊の本を読み続けた。アンジェレッタにも不審がられるが、最後まで読み通そうとした。一方、アルフレドもヴォルテールの本を読み続けるが、シトロンに本を滅茶苦茶にされてしまう。行き場所のないアルフレドは家や街の灯りのもとで本を読むが、灯りは消されてしまう。そんなとき、妹ビアンカのことを思い出すアルフレド。そして再び決意する。知識をつけてビアンカを迎えにいくことを。

 ついに本を読み終えたアルフレド。けれどシトロンのせいで2ページほど失ってしまった。しかしアルフレドはその2ページを記憶しており、本に補っていた。ロミオも本を最後まで読み終え、眠っているアンジェレッタのもとにいった。本を読む喜びを知ったロミオは新しい本を手に取り、アンジェレッタのもとで眠りについた。


 「僕は大人になるよ。知識をつけ、力をつけるんだ。そして向かいに行くんだビアンカを。」
アルフレドがビアンカの回想をしたあとにした決意。街の灯りが消えて本当は暗いのですけど、スポットライトのように月光が照らして、しかもいい感じに風が吹いてるのでいいです。


 「神は時折特別な人間をこの世に遣わすものだ。あの子は間違いなく神に特別に愛されてる少年なのだ。アルフレドが大人になったとき、世の中は変わるだろう。」
アルフレドがヴォルテールの本の内容を暗記していたことに驚いたカセラ教授のセリフ。あんだけの能力があるのに、やってるのは床掃除って本当に神の子だ。


  本を読み終えたロミオが、「みんな幸せになったよ」と眠ってるアンジェレッタに小声でいうところ。目標の達成が物語のハッピーエンドという形だったのでよほど嬉しかったのでしょう。ネタバレがなければ、嬉しさも倍だったのですけど。


 黒い兄弟が結成してすぐ狼団が登場というわけではなかったです。だからといって今回はつなぎの話ではなく、比較的重要な話なのですけどね。しかもロミオの将来を左右する。

 今回の萌えシーンは、やはりピアさんのほっぺつんでしょうか。やってる方もやられてる方も萌えます。ビアンカクルクルもいいのですが、個人的にはショート属性だし、野性の仔猫感が薄れてるので。そういや岡村さん初登場じゃん。

 そいで、大学生の本を暗記する小学6年生なのですが、あれは実力というより関心なんでしょうね。いや、私もあれくらいの年頃の時、上野駅の構造をマスターしてたし(をい)。となると、アルフレドが自由と平等に関心を持った要因は何でしょうか。

 どうでもいいことですけど、今回の話をデジモンティマーズに例えるならば、健良がバトルに強いのがパソコンの知識のせいだと思ったタカトが学校のパソコンで勉強し、それなりにマスターしたらジュリに駆け寄るって...少し違いますね(笑)