東北・上越新幹線は開業当初、大宮折り返しであった。上野−大宮間の工事が手間取ったのである。そのため国鉄は、昭和60年3月14日の新幹線上野開業まで、上野−大宮間に新幹線に接続する列車、新幹線リレー号を設定した。
ダイヤ
ここでは、上野延長2ヶ月前である昭和60年1月号時刻表を参照する。
当時の東北新幹線は、毎時00分にやまびこが、毎時30分にあおばまたは臨時やまびこが大宮を発車するダイヤだった。一方、上越新幹線は、毎時05分にあさひが、毎時35分にときが発車した。つまり、東北新幹線の5分後に上越新幹線が発車していたのである。
新幹線リレー号は東北新幹線と、下りは17分、上りは14分で接続するように設定されていた。通常、新幹線との乗換え時間は、8分ほどであるから倍以上の余裕である。新幹線リレー号の大宮到着は毎時13分、43分である。上野−大宮間の所要時間はノンストップで26分とかなり流して走っていた。いま、ノンストップで26分かかるのは臨時の客車列車ぐらいである。ともあれ、新幹線リレー号の上野発車時間は毎時17分、47分で、東北新幹線の大宮発車43分前、上越新幹線の大宮発車48分前である。43分というと、新幹線で大宮から矢板辺りの所要時間に匹敵する。(参照:現在の上野−大宮間20分)現在の東京−大宮間26分であるから、時間短縮分はほぼ乗換え時間分+東京−上野間の距離である。
新幹線リレー号の始発は上野発6時17分である。7時17分から9時47分は上りの設定がないためかブランクが空く。そのため、ラッシュ時の折り返しの中電がその代わりとなる。しかし休日はこのブランクの間に2本走る。以降、9時47分から20時47分まで30分間隔で走る。一方、上りの始発は9時01分である。休日はその前に8時22分発がある。以降、10時01分から22時31分まで30分間隔で走る。
上野での折り返し時間は20分、大宮での折り返し時間は18分、これに上野−大宮間の所要時間26分の倍を足すと90分である。30分間隔であるから3運用ということになる。上野駅では6番線、大宮駅では7番線が新幹線リレー号の専用ホームだった。
なお、新幹線リレー号は基本的に定期の新幹線に接続するもので、大宮発20分といった不定期の新幹線に接続するリレー号はなかった。この場合、中電がリレー号の代わりを果たすが、現在と違って中電は東北線、高崎線ともども1時間に2本しかなく、接続状況は良くなかった。また、リレー号によっては、やまびこ、あさひ両方に接続するものがあったり、ときにしか接続しないものがあったりと、混み具合がまばらだったと思う。
車両
新前橋電車区の185系7連を2本つないだ14連が充当された。
6号車と13号車のグリーン車を含め、全車禁煙の自由席だった。ちなみに、新幹線は大宮寄りの自由席1両だけが禁煙車だった。(現在は、E2が8両中6両、E4が8両中5両禁煙車)
グリーン車は、シルバーカーとも呼ばれ、新幹線のグリーン券所有してるお客様のほか、お年寄り、身体のご不自由な方、乳幼児連れの女性客の優先車で、リレー号のグリーン券は必要無かった。
なお、時刻表には、「東北新幹線からのお客様はリレー号の後方を、東北新幹線からのお客様はリレー号の方を、ご利用下さい。」とのただし書きがあり、分散乗車を推奨していた。しかし、新幹線車両である200系12両に対して185系7両であったから、多客期の混乱は大方想像つく。しかも185系はデッキ付なので、京浜東北を利用した人もかなりいたかと思う。
その他
時刻表昭和60年1月号によると、現在の新幹線リレー号のご先祖様が、12月24日から1月4日まで運転されていた。つまり、府中本町と大宮を結ぶ列車である。当時は武蔵野線内では快速運転をせずに、府中本町−西浦和間各駅に停車していった。朝夕2往復の設定で、所要時間は48分である。(現在の新幹線リレー号は、西国分寺、新秋津、北朝霞のみ停車で所要時間40分前後)車両は多分、オレンジ色の103ではないかと思われる。
新幹線上野開業後も、リレー号的な列車は走った。大宮発着のエキスポライナーが1.5往復走ったのである。大宮と万博中央の間は、我孫子と取手のみの停車である。しかし、それ以降はリレー号というよりホリデー快速といった感じで、本格的な新幹線リレーの復活となったのは、97年3月の秋田新幹線開業時であった。しかし、この新幹線リレー号も、本来と違った意味で地元利用者に恩恵を与え、目的となる接続する新幹線も不明なまま現在に至る。
これから先は、今までの埼京線に加え、湘南新宿ラインと乗り入れる宇都宮線、高崎線がリレー号の役目を果たすと思う。横浜あたりは東京を利用すると思うが、渋谷、恵比寿近辺だけではなく、品川や東京での乗換えが面倒な西大井、新川崎利用者が大宮経由を使うのではないかと。東北新幹線八戸延長時に埼京線がお台場の方に乗り入れるので、ここでも大きな変化がありそう。私は武蔵野線のリレー号の倍増を予想するが。