2002.12.06
■第一章(はやてグリーン車編)
上野 |
8:34 |
3005B |
八戸 |
11:31 |
E215-1003 |
旅立ちの日は自分の誕生日だった。
はやて初乗りはグリーン車を選択した。別に誕生日だからというわけではない。貯蓄したViewポイント(Viewカードを利用すると貯まるポイント)を使って、フリーグリーン券(乗れる区間を自由に設定できるグリーン券)に応募して当選したからである。快速列車のグリーン車は前回の四国旅行のときに乗ったが、新幹線のグリーン車は初めてである。
余裕をもって上野に移動。到着したのは24分頃だった。上りホームに次から次へと入る通勤新幹線の客流動を見ながら待つことにする。8時33分、定刻どおりにはやて5号が入線する。期待通りE2−1000番台の充当である。車内に入るとグリーンアテンダントからの挨拶が。さほど気をつかわずに指定された席に座る。
グリーン車の客は16人といったところ。平日ということもあって、当然ながらビジネスマンの姿もあった。ちなみに隣8号車は両窓側1列が埋まる程度。つまり4割ぐらいの乗車率だった。グリーン車は秀でて楽というわけではないが、ヘッドレストが心地よかった。ひざ掛けの存在を後で知ったのは少し後悔。使ってた人はいなかったが。
上野発車から5分後、グリーンアテンダントからおしぼりが渡され、同時にドリンクサービスのメニューを聞いてきた。シートについているパンフレットで、指定席を申し込んだ客には車内検札が来ないというところを読んだいたら、検札が来た(笑)。まだコンピューターではグリーン券までシステム化されていないらしく、グリーン車の客の方が検札を受けるおかしな状態である。頼んだアイスコーヒーは大宮着く寸前で渡され、小山遊園地の観覧車を見ながらのんびりと飲んだ。ウトウトしてる間に福島県に入り、列車は郡山でH編成のやまびこ45号を追い抜く。このやまびこ45号は古川でもはやて7号に追い抜かれる。ちなみに年末にはその10分前に臨時やまびこの設定(しかもH編成)があり、これは福島と一ノ関で追い抜かれる。仙台以北の定期のH編成運用は45号の他、67号、42号、56号がある。このうち16両の輸送量が発揮できるのは67号の東京口、42号の仙台口だけである。
仙台はペデストリアンデッキを望む11番線の到着だった。11番線は通常、仙台到着後車庫に入るMAXやまびこの降車場だが、はやて5号はイレギュラーに11番線に入る。何故か12番線には試運転サボを出したE2+E3が停車中だった。ここでビジネスマンを含んだ6人が降り、3人ほど乗ってきた。隣8号車を見てみると、仙台までと同じか、少し多い感じを受けた。ホームで待ってた人から推測するにそれほど入れ替わってないかと思う。
盛岡では4分停車。グリーン車の客は数人の入れ替え程度だった。ここまで来ると寒さも少し厳しくなる。盛岡からは新線区間に入る。盛岡第一運転所を通過すると、しばらくして高架を降りる。そして数分で抜けるトンネルと数秒しか走らない明かり区間が連続する。10分後、いわて沼宮内駅をあっという間に通過。そして短いトンネルを2つ抜けると、長いトンネルに入る。これが世界最長の陸上トンネル「岩手一戸トンネル」(25,808m)で、そこを6分半で抜ける。ここでフルアクティブサスペンションが効いてるはずなのだが、あまり意識はしなかった。トンネルを抜け市街地に入り出すと二戸を通過した。
再び、数分間のトンネルと数秒間の明かり区間が連続して、二戸通過から10分もしないうちに八戸に到着した。盛岡からわずか29分、所要時間的には高崎−越後湯沢間のとき(26分)に近い。八戸到着は11番線、1番在来線寄りのホームの到着となる。
八戸駅は新幹線2面4線の海側に在来線3面5線が接する形である。両方とも地平だが、新幹線の方がワンレベル高い構造である。それにも関わらず、線路上のコンコースが両方とも同じ高さのため、在来線ホームへのエスカレーターが比較的長くなっている。
はやて5号から降りた客は、八戸で下車するために出札口に向かう客と、つがる5号などに乗り継ぐために乗換え改札口に向かう客に分かれる。数分遅れていったが、乗換え改札口より出札口のほうに人が集中していた印象を受けた。特急王国用に5番線に停車中のつがる5号を撮影。さらに5番線と新幹線の間の電留線に停車中のE751を撮影する。朝につがる5号として来たものだと思われる。撮影は手袋を外しているため、長時間やると手だけ冷たくなる。
つがる5号を見送った後、周遊きっぷを乗換え自動改札に通し、再び新幹線ホームに戻る。新幹線ホームには11番線に先ほど乗ってきたはやて5号が停車してるほか、14番線にもその30分以上前を先行していたはやて3号が停車中だった。ちなみにこちらは窓が小さい0番代の充当だった。その後、はやて3号は回送として電留線の方へ引き上げていった。
はやてを撮影してると函館からの特急スーパー白鳥14号が在来線ホームに入線してきた。八戸に到着したはやて5号はこの列車の接続を受け、折り返しはやて14号となる。そしてはやて14号が八戸を発車するのと同時にはやて7号が入線。スーパー白鳥は折り返し函館行の7号となり、接続を受けることになる。
スーパー白鳥と接続するはやて(八戸) |
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八戸駅東口(うみねこプラザ) |
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出札口を通って西口に出てみる。西口はバスターミナルが整備されているものの、商店はほとんどなく住宅街である。八戸に限らず、後述のいわて沼宮内、二戸も新幹線は裏口である。裏口の方が新幹線駅の用地があり、当たり前なのだが。十和田湖はここのバスターミナルから「おいらせ号」に乗って2時間15分である。
次に表口である東口に出てみる。東口は駅ビル「うみねこプラザ」と共用である。エスカレーターを1度降りると、右に八戸駅市民サービスセンター、左にはちのへ総合観光プラザがある2階に出た。さらにエスカレーターを降りると駅前ロータリーに出た。駅前は比較的小じんまりとした商店街で、大きな商店や小型ビルはなかった。八戸の中心はここから数キロ離れた本八戸の方で、この辺は市街地の外れということになる。そのため、駅前には新幹線のマークを方向幕に入れた「新幹線シャトルバス」が東口のロータリーに停車していた。新幹線が市街地の外れにあっても、駐車場が整備されていれば「ペークアンドライド」の利用者が多いのだが。
自動券売機で第3セクター経由の二戸までのきっぷを買おうとしたが、青い森鉄道の終点目時までしか売ってなかった。「みどりの窓口で購入してください」と注意書きがあったものの、長蛇の列があるみどりの窓口では買う暇がなく、二戸で精算することにした。
■第ニ章(新幹線新駅訪問)
八戸 |
12:11 |
4526M |
二戸 |
12:49 |
IGR7001-101 |
二戸 |
13:07 |
3016B |
盛岡 |
13:33 |
E226-1131 |
盛岡 |
13:43 |
2569M |
いわて
沼宮内 |
14:14 |
IGR7001-1 |
いわて
沼宮内 |
14:43 |
4533M |
二戸 |
15:18 |
IGR7001-101 |
二戸 |
15:53 |
3015B |
八戸 |
16:04 |
E226-316 |
八戸で「限定」という文字に負けて「はやて弁当」を購入。新幹線に並行する第3セクターで南下する。
長いエスカレーター降りた先のホームには、青い帯のIGRいわて銀河鉄道(以下、IGR)の車両が停車していた。正午過ぎという時間帯のせいか、座席は高校生で5〜6割ぐらい埋まっていた。八戸の次、北高岩では新幹線の第4馬渕川橋梁の全景を眺めることができる。苫米地と剣吉で比較的目立った降車があり、三戸で殆んどが降りた。三戸まで30人以上いた客は10人ほどになり、ボックスも当然空く。ここで昼飯の「はやて弁当」を食べることにする。
IGRいわて銀河鉄道(二戸) |
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はやて弁当 |
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三戸の次、目時で青い森鉄道が終了し、IGRに入る。岩手県最初の駅、金田一温泉から駅名票はIGR銀河鉄道オリジナルのものになる。新幹線と並行すると、斗米を過ぎ二戸に到着した。
二戸からは新幹線である。二戸駅では駅員が新幹線指定席券売機の案内をしていた。せっかくだから「駅ねっと」で予約した明日の八戸→上野の指定券をここで引き出すことにした。必要となるのは、駅ねっとで予約したた返信される予約番号ではなく、ビューカードの暗証番号だった。普通の乗車券のように指定席券売機を引き出す様子を見て、駅員は「初めて見た」と目を丸くしていた。
二戸の新幹線ホームは八戸以上の大きな吹き抜け構造だった。吹き抜け構造にコンコースと階段が入ってるのを見て大阪の地下鉄を思い出した。そこにはやて16号が入線してきた。はやて16号は席は半分ほど埋まっていたが、全員が単身利用者ではなかったので、空いている窓側もあった。周遊きっぷでは、予約なしで好きなところに座っていいことになってるので、迷わず窓側に座ることにした。とはいっても、いわて沼宮内まではほとんどがトンネルだが。そのいわて沼宮内で新幹線を待ってた人は、わずか3〜4人ぐらいだった。
盛岡から再びIGRである。接続時間はわずか10分しかない。盛岡到着と同時に小走りで出札口を出る。しかし、あわてていたためかJRの北乗換え通路に入り、そこから2、3番線ホームに出てしまった。そこから少し先にある0、1番線に停車してるいわて銀河鉄道の列車を見ると、再び階段を上がり、北改札口を経由しその前の階段を曲がりくねって下りると、階段の裏にIGR改札口があった。あわてて案内を見落としたせいもあるか、新幹線からIGRに初めて乗り換える人にとっては、かなり複雑な乗換えである。ともにパターンになってるせいか、ギリギリの接続時間はあまりないのだが、はやて25号から花輪線最終への10分乗り継ぎが不安である。新幹線の指定席情報だけではなく乗車券情報を管理して、そこから乗り継ぎ客を把握する必要があるかと思う。
何はともあれ、盛岡からのIGRの列車には間に合った。車両はJRからの譲渡車両にIGRのステッカーと貼ったもの。JRからの譲渡車両なのでオールロングシートである。いわて沼宮内までの所要時間は30分ほど、中央線の東京−三鷹間並みなので、クロスシートにこだわる必要はない。車両はワンマンだが、前より後ろの方が乗っていた。後ろの方が改札口に近い構造だからである。そのことを考えるとIGRや青い森の新車は、盛岡寄車両の運転台側をオールロングにして、その分のクロスを青森寄車両の運転台と逆方向に持ってきた方がよかったかもしれない。
厨川では後ろの方から小さな民族移動があった。ここで、さっきまで乗っていたIGRの車両と交換する。滝沢で4割ぐらいが降りて、いわて沼宮内到着時には10数人しか乗ってなかった。
いわて沼宮内駅は、IGR2面3線に高架構造の新幹線の相対式ホームが接する形である。二戸や八戸との違いは、新幹線が高架式になってることだけではなく、新幹線がIGRの東側に接してることである。乗った電車はいわて沼宮内折り返しで、上り本線とホームを共有する中線に入線した。既にあったIGR(東北線)の跨線橋が新設の自由通路に繋がり、その繋がってる部分に改札口がある。自由通路は西口(いわてプラザ)と新幹線コンコース、東口を結んでる。
いわて沼宮内駅新幹線ホーム |
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いわて沼宮内駅西口(いわてプラザ) |
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まず裏口である東口に出る。東口は山と新幹線の駅に挟まれ、住宅どころが駐車場しかない。しかし先述したとおり、新幹線駅に駐車場があればパークアンドライド需要が見込める。次に周遊券を自動改札に通して、新幹線ホームに上がる。高架の相対式ということで、八戸や二戸に比べて新幹線の駅らしかった。もちろん人の姿はホームどころがコンコースにもなく、はやてが轟音を立てて通過していくだけだった。一方、西口は民芸品などを売っている「いわてプラザ」に通じているものの、駅前にはバスターミナルがあるだけで商店はなかった。
IGRのいわて沼宮内始発は、二戸方面からの電車の16分後の折り返しである。下りに合わせた30分後の折り返しとなると、好摩以南で花輪線の列車のスジと競合してしまう。40分以上空いてしまうのは、いわて沼宮内と岩手川口の2駅だから現状でも不便ではないだろう。
いわて沼宮内からIGRでさらに北上する。二戸まで新幹線は「岩手一戸トンネル」を走るが、IGRは峠を越えることになる。乗客は30人ほど、途中駅での入れ替えは少なく、ほとんどが二戸以北に向かう。
二戸駅は、IGR2面3線の西側に、少しレベルの高い新幹線の相対式ホームが接する形である。新幹線とIGRはコンコースで結ばれてるが、IGRのエスカレーターは八戸ほど長くない。
二戸駅新幹線ホーム |
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二戸駅西口(なにゃーと) |
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まず、「なにゃーと」が付随している西口の方に出てみる。「なにゃーと」はこの辺の自治体による複合施設で、お土産やはもちろん、会議室やサークルルームが入っている。この「なにゃーと」という奇妙な名前は、地元の盆踊り「なにゃとやら」に由来している。西口は裏口のため、「なにゃーと」以外には福岡工業高校と住宅しかなく人影も少ない。だが、八戸駅西口より少し充実しており、400台近く収容可能の駐車場がある。駐車場は2時間まで無料、1日駐車しても200円である。「なにゃーと」で南部せんべいを買った後、高さ47メートルのタワーに昇る。展望室は31メートル(12階)の地点にあり、二戸市街や折爪岳が一望できる。とはいえ、どれが折爪岳という展望室独特の案内がなかったのが残念である。
東口の方は商店や住宅があり、バスもここに乗り入れてくる。また、24時間営業のレンタルビデオ屋があり、八戸駅前より賑やかである。もちろん、八戸の中心部はここより賑やかであるが。
二戸からはやて15号で八戸に向かった。
■第三章(青森県のニューフェイス)
八戸 |
16:13 |
1015M |
浅虫温泉 |
17:02 |
モハ485-3038 |
浅虫温泉 |
17:31 |
8554D |
八戸 |
18:34 |
キハ48-1506 |
八戸 |
19:02 |
1021M |
函館 |
21:54 |
モハ789-203 |
八戸からは青森県内での移動になる。白鳥15号は485−3000番代による運用だが、ヘッドマークが思った以上に格好悪い。下半分が白鳥とHakuchoを交互に表示しており、上半分で羽ばたく白鳥を上から見た姿を表示しているのだが、その姿が少し間抜けである。LEDヘッドマークは表現できる色に限界があるので、普通のヘッドマークに比べて格好悪い印象がある。乗車率は指定席が4割、自由席が6割ほどだった。日が落ちるのは早く、三沢に到着するには真っ暗で、十和田観光のステンレス車は確認できなかった。
浅虫温泉で微妙に時間がもてあます。時間をつぶそうと駅前をぶらついてたら道の駅を発見。しかも温泉付きではないか。国道4号線をまたぐ歩道橋があるものの急いで横断。微妙な時間のためすぐに温泉に向かう。温泉は最上階で海を一望できるはずだが、日が沈んだ後なので全く関係なし。5分ほど湯につかって20分には温泉を出る。
浅虫温泉のホームには、すでに臨時観光快速きらきらみちのく八戸が入線。7〜8分停車して時間調整してるみたいだが、その理由は不明である。多分貨物の空待避だろう。
き・ら・き・らみちのくは全車指定の3両編成で、デビューは新幹線の八戸延長に合わせたわけではなく、この夏から走っている。1号車と3号車、つまり両先頭車は2−1のフリーストップリクライニングシートで、1人掛けの方は45度回転が可能である。先頭にかぶりつきシートがあるものの、リクライニングシートではなくちょっとしたベンチ状。当然ながら指定席ではない。一方2号車、つまり中間車は木目調のボックスシートで、座席は畳敷きである。その座席の下には下駄箱があって、座席の上で正座できるようになってる。
運転系統は八戸→大湊→青森→三厩→青森→八戸で、行き先にあわせてきらきらみちのく大湊→きらきらみちのく三厩→きらきらみちのく八戸と愛称が変わる。運転日は毎週金土日曜日である。特急に追い抜かれないため青森県内の都市間快速の役目も担っており、スーツ姿の人も結構目立った。とはいえ、平日のせいか乗車率は低く、1号車は7人、2号車は11人、3号車に至っては誰も乗ってなかった。
きらきらみちのく(八戸) |
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スーパー白鳥(函館) |
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八戸からはスーパー白鳥21号で移動。車両はデビューして間もないJR北海道の789系である。金曜の夜の特急は満員御礼で、席の9割以上が埋まった。加速しても、130キロで走行しても、インバーターの走行音は車内にせずかなり静かな印象を受けた。しかし、揺れは比較的激しく、新幹線からの客にとっては特にそれが目立つだろう。
八戸発車時には60人ほどいた乗客だが、三沢で6人下車、野辺地で10人下車し、青森到着時には約50人ほどになった。そのうち北海道方面に向かう客はわずか6人、乗ってきた客は10人で直通客より多い。青森までは「周遊きっぷ」利用のため自由席に座っていたが、青森からは「青森・函館往復きっぷ」利用のため、先頭車両の指定席に移動する。
指定席は先頭車にあるが、先頭車の前半分がグリーン車指定席、後半分が普通車指定席となっている。このような半室構造は九州のハイパーサルーンを思い出す。グリーン車に合わせてるせいか、ノートPCなどに使うと思われる電源が用意してあった。シート裏にはチケットホルダーが付いていた。
青森から中小国までの走りは東北本線内と全く違う。そのため、最高速度は白鳥と変わらないが、制限をくらってからの加速が良いから、わずかに白鳥より早いと思われる。新中小国の信号所を最徐行して通過すると、加速を始めた。列車はいくつもトンネルを通過するが、やはり比較的静かである。とはいえ、トンネルに入る前の警笛が聞こえてくる。長い警笛とともに列車が青函トンネルに入ると、窓の外が一瞬で曇った。ドア上LEDでは駅間のどの辺を通過してるか表示しており、青函トンネルもちゃんとトンネルとして表示してある。約26分で青函トンネルを通過して北海道に入った。木古内を出発したらまた元の走りに戻り、函館市街の灯りを見ながら海岸線沿いをゆっくりと走る。
函館は駅の工事中の最中だが、改札口はまだ移動してなかった。人影少ない街には雪は積もってないものの、小さく白いものが舞っていた。