神戸湾岸部編(2001.08.26)

起床6時30分。昨晩は地震で足止め喰らったため、5時間しか寝ていない。しかしこの時間に起きないと、朝の和田岬線には間に合わないのである。7時過ぎには神戸のホテルをチェックアウト、神戸の隣駅であり和田岬線始発駅である兵庫に向かう。

 和田岬線に初めて乗ったのは4年前、JR東西線をつぶす前のことだった。その日は平日の夕ラッシュ時で、山際が赤みかけた六甲山をバックに停車してる水色のキハ35が印象的だった。そして、今年の7月1日、和田岬線は電化され、阪和線と同じような青い103系が導入された。(日によって207系が充当)

 兵庫駅は、JR神戸線ホームは盛土高架だが、和田岬線ホームはそれに横付けされた地平ホームで、京急川崎駅に似たような雰囲気である。和田岬までのキップは、兵庫駅の連絡口で回収されるのは、西新井に似ている。停車している電車は6両編成で、1両に数人ほどの乗車率である。休日だから当然である。しかも、出勤列車はこの1本だけである。

 電車は7時20分定刻に和田岬を発車。左カーブをゆっくり曲がり、JR神戸線と分かれる。その途中、川崎重工の工場にE231らしきものを目撃する。カーブを過ぎたら、一気に加速。意外とスピードを出す。サッカースタジアムが見えてきたと思ったら、和田岬駅に到着した。ホームの上屋は駅舎につながっておらず、デジカメもろとも小雨に濡れながらの撮影となる。地下鉄の和田岬駅の入り口はそれほど離れておらず、駅舎越しに確認ができる。

電車化された和田岬線 JRの駅と地下鉄の駅は近い

 神戸市営地下鉄湾岸線(通称:夢かもめ)は今年7月7日、新長田―三宮・花時計前が開業した。神戸という土地のせいか、起点、終点を含めて、ほとんど既存路線の近くを走ってるような新路線である。和田岬での乗換えは新線独特の面倒くささがほとんどなく、駅も大江戸線に比べると浅い。券売機でスル関を購入しようとしたら、間違ってUカードを購入してしまった。神戸市交だけで1000円分も消費しないので、窓口でUカードを現金にし、再びスル関を購入する。自動券売機のテレビにはスル関のマスコット「スルっとちゃん」が。しかも英語を話してるのではないか。朝っぱらからスル関ネットワークの歓迎を受け、ホームに下りる。

英語を話すスルっとちゃん 地下鉄湾岸線(夢かもめ)

 地下鉄は朝前半6分ヘッド、後半8分ヘッド、夕ラッシュ時7分半ヘッド、昼間と夜間10分ヘッドである。昼間は阪神、阪急とサイクルが合い、夕ラッシュ時はJRとサイクルが合う。車庫は御崎公園駅にあり、当然御崎公園発着が数本設定されている。大江戸線同様、リニアモーター駆動のミニ地下鉄だが、大江戸線ほど圧迫感はない。7時43分発で和田岬から新長田に向かう。

 新長田ではなんとエスカレーターが下り方向に動いていた。仕方がなく階段をのぼりコンコースにでると、地下鉄西神・山手線への改札内乗換え通路があった。(注:新長田より西が西神線、東が山手線)通路は改札外コンコースと並行して、そのまま西神・山手線のコンコースにつながっていた。こちらも数分で乗換えが可能なところである。大丸の前の出口から外に出る。新長田はJRの普通電車しか停車しない割にはかなり大きく、雰囲気は大井町に似ている。しかし、雨の日曜の朝ということで人影はまばらである。新長田は靴製造の町で駅構内にも靴が飾ってあった。


湾岸線経由もある運賃表
駅名の由来となった花時計

 新長田から戻るようにして三宮に向かう。夢かもめは大江戸線と比較して、やたらカーブしない印象を受けた。利用率は大江戸線より低いといった感じだ。雨が降ってなければハーバーランドで降りて、ポートタワーに昇ろうと思っていたが、どこにも途中下車せず三宮・花時計前に到着した。

 三宮・花時計前駅のコンコースは、そのままサンチカや神戸国際会館の吹き抜けにつながっていた。神戸国際会館の階段で地上に出ると、交差点の向こうに駅名の由来となった花時計があった。花時計は神戸市役所の前にあり、昭和30年代につくられたとのことである。地下道からサンチカに抜けて三宮駅に向かう。花時計前駅から三宮駅までの距離は、新宿西口駅から小田急新宿駅までの距離ぐらいだと思われる。東京の地下鉄の改札外乗換えの制限時間は30分だが、神戸の地下鉄は90分なので、ゆっくりとパンや生チョコといったお土産を買う。

 三宮から地下鉄で北上する。暇なので先に来た新神戸行に乗り込み、新神戸で谷上行を待つことにした。新神戸は、谷上方面の片面式ホームと三宮方面と新神戸折返しの島式ホームという2面3線構造で、新神戸止から谷上行に乗り継ぐには一度コンコースに上がらなければならない。新神戸はJRの10月改正で「のぞみ」の全列車が停車するようになり、地下鉄に対するウェイトは重くなる。博多や小倉発着の神戸市内のフリーパスが欲しいところである。

 新神戸から北神急行でさらに北上。トンネル内ではアニメーションのリスが出迎え、8分ほどで谷上に着く。以前の谷上は、北神急行1面2線と神戸電鉄2面4線の3面6線構造で、両線の乗換えは階段を乗り降りする必要があった。しかし今年に入って、神戸電鉄のホームのうち北神急行寄りの1面を北神急行の線路に接するように拡幅した。そして、6月23日から両線の列車は一部時間帯を除き、全列車このホームに停車するようになり、階段の必要ない乗換えができるようになった。

谷上に着いた列車は両方のドアを開けた。すると間もなく三田行きの列車がやってきた。別会社とは思えない便利な乗り継ぎである。6分後、さっき三田行が発車したホームと同じホームに新開地行きが入ってきた。当然、この新開地行から新しいホームを介して三宮方面の列車に大勢の人が乗り換える。私は新開地行きに乗り込み谷上をあとにする。

三田行と並ぶ北神急行 両方のドアを開ける

 普通新開地行きは山に面した住宅街を抜けていく。とはいえローカルな雰囲気もあり箕谷駅にはぶどう狩りののぼりがあるくらいである。普通新開地行は鈴蘭台で、志染から来た準急に道を譲る。とはいえ、準急と普通の停車駅の違いはわずか2駅で、新開地到着は数分しか変わらない。私はすずらんカードを購入するために鈴蘭台で途中下車をする。すずらんカードは券売機によるものではなく手売りのものを購入した。

 鈴蘭台から新開地へは毎時9本の列車が走ってる。20分サイクルではなく、15分サイクルに粟生と三田から1本ずつやってきて、それらが数分の差で続行する。そして入出庫の関連だと思われる鈴蘭台始発が1時間に1本加わる。そのため運転間隔は2分〜13分となる。私は鈴蘭台始発に乗り込んだ。この列車は3扉と2扉が混在していた。京浜急行の快速特急のようにはっきりと分かれてるわけではなく、2扉が1両だけはさまってる感じなので新鮮味を感じた。この列車は山を抜け菊水山に停車した。菊水山は周辺は人家が1軒もなく、昼間時は毎時1本しか普通が停車しない。他の普通は通過するのである。普通の通過する駅というと博物館動物園を思い出す。

 列車は神戸高速鉄道に入り新開地に到着した。新開地の乗換えは、南北線の頭端式ホームの先が東西線のコンコースにつながっており便利である。新開地始発の阪急特急がすぐに接続した。新開地を出発した阪急特急は隣駅高速神戸で後続の阪神特急の接続を受ける。三宮では新快速と同時発車になった。立ち客まで出てる新快速はガラガラの阪急特急をドンドン引き離し、東に向かった。ところで鈴蘭台近辺の人は、新開地で乗り換えてそのまま私鉄で大阪に向かうのか、それとも三ノ宮でさらにJRに乗換え大阪に向かうのか、少し気になる。三宮をガラガラの状態で発車した列車は、岡本、そして普通を追い抜く西宮北口で人を乗せていった。私は「スルっと関西SoundColection」購入のため西宮北口の案内所に立ち寄った。そして阪急の特急で大阪に向かい、神戸の小旅行は終了した。