東武線通勤快速
(浅草−東武宇都宮・東武日光)

 今や通勤準急という種別が設定されるのではないかと噂の東武伊勢崎線。昭和の世には遠距離客を重視した通勤快速というのが存在した。玉の井や堀切には停車するのに、草加、越谷を通過。国鉄乗換駅である栗橋まで通過する列車。通勤がつくのに休日も運転される列車。北千住−杉戸(東武動物公園)で準急を追い抜くどどころが、準急と所要時間が変わらない列車。そして1日1往復しかないかなりレアな列車。今回はこの列車にスポットをあてる。

停車駅


各駅
停車



ノン
ストップ














以北
各駅停車

 快速と同様の停車駅になるのは北千住−杉戸(東武動物公園)間のみで、北千住以南では準急同様各駅停車、杉戸以北では隔駅停車になっている。(当時は南栗橋、杉戸高野台はなかった。)

ダイヤ

 通勤快速だけに当然朝上り、夕下りそれぞれ1本ずつの設定である。

 298列車は東武宇都宮を6時21分に出発する。新栃木で東武日光を5時52分に出発した998列車を前に併結、新栃木発7時01分、東武動物公園発7時48分、春日部発7時55分、北千住着8時30分、浅草到着は8時47分である。折り返しは普通幸手行となる。なお、休日は春日部は発車時間が同じ時間のものの、北千住着は4分早くなる。しかしその反動で前後の準急は14分開く。

 299列車は浅草を17時46分に出発する。北千住発は18時03分、春日部には18時34分に着き、きぬ135号を待避後38分に発車、東武動物公園18時45分発、新栃木には19時32分に到着する。ここで東武日光行の999列車を後ろから切り離し、東武宇都宮には20時11分、東武日光には20時42分に到着する。

車両

 普通が前後運用にあることから、8000系などの通勤車6連が充当された。

その他

 この列車は草加まで複々線が延伸された1988年8月までには消えたと思われる。やはりこの通勤快速の前後の準急の間隔が開くのは不評だったのだろう。しかも、準急に格下げしても所要時間は変わらない。

 298列車は新栃木以北は準急曳舟行216列車、東武動物公園以南はその1本前の伊勢崎発の520列車にスジを譲った。現在では準急業平橋行き2290列車が通勤快速とほぼ同じスジをなぞってる。

 一方、299列車は251列車の準急にスジを譲り、新栃木着は7分遅くなった。今では2291列車となって当時より4分発車が早くなっている。

 東武伊勢崎線は来春から半蔵門線に乗り入れるが、遠距離通勤客が増えるわけではない。ほとんどが、久喜や栗橋で、国鉄時代より本数が増えたJRに乗り換えるからである。よって、このような遠距離で主要駅停車になる種別は絶望的ではないかと思われる。